調理師試験の試験概要

実務経験ルートで調理師免許を取得するには、調理師試験に合格する必要があります。ここでは試験の詳細について解説します。

6科目の出題内容

調理師試験は以下の6科目から出題されます。2016年(平成28年)の試験制度改正により、それ以前の7科目から6科目に変更されました。

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科目名主な出題内容出題数目安
公衆衛生学環境衛生、健康づくり、生活習慣病予防3〜4問
食品学食品の成分、分類、加工、保存6問前後
栄養学栄養素の機能、消化吸収、食事摂取基準6問前後
食品衛生学食中毒、食品添加物、HACCP、衛生管理12〜13問
調理理論調理操作、調理器具、食品の調理特性12〜13問
食文化概論日本・世界の食文化、料理の歴史2〜3問

食品衛生学調理理論の出題数が多く、全体の約半数を占めます。この2科目を重点的に対策することが合格への近道です。

出題形式と合格ライン

  • 出題形式: マークシート方式(四肢択一)
  • 問題数: 全60問
  • 試験時間: 120分(2時間)
  • 合格ライン: 全体の正答率60%以上(36問以上の正解)
  • 科目別足切り: 1科目でも平均点を著しく下回ると不合格

注意すべきは、全体で60%以上正解していても、特定の科目が極端に低い場合は不合格になるという点です。すべての科目をまんべんなく学習する必要があります。

試験は年1回、各都道府県ごとに実施されます。試験日は都道府県によって異なりますが、多くは10月〜12月に実施されます。なお、複数の都道府県で受験することも可能です。

合格率60〜70%の難易度を分析

調理師試験は国家資格の中では比較的合格率が高い試験として知られています。

直近5年の合格率推移

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年度合格率
令和2年度(2020年)約65%
令和3年度(2021年)約65%
令和4年度(2022年)約66%
令和5年度(2023年)約65%
令和6年度(2024年)64.0%

直近5年間で合格率は60〜70%の範囲で安定して推移しています。令和6年度は64.0%でした。国家資格としてはかなり高い合格率であり、しっかりと対策すれば十分に合格を狙える試験といえます。

参考までに他の国家資格と合格率を比較すると、以下のようになります。

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資格名合格率
調理師試験60〜70%
宅地建物取引士約15〜18%
介護福祉士約70〜80%
社会福祉士約30〜35%
管理栄養士約40〜60%

独学でも合格できるか

結論から言えば、独学でも十分に合格可能です。合格率60〜70%という数字は、多くの受験者が働きながら独学で挑んでいることを考えると、適切な学習をすれば高い確率で合格できることを示しています。

独学の場合の学習期間の目安は3〜6か月程度です。市販のテキスト(2,000〜3,000円程度)と過去問題集を使って、1日30分〜1時間の学習を継続すれば合格ラインに達することができるでしょう。通信講座を利用する場合は、ユーキャンの調理師講座(約44,000円〜)などが人気です。

実務経験の詳細条件

実務経験ルートで受験する場合、実務経験の条件を正確に把握しておくことが重要です。条件を満たしていないと受験資格が得られません。

認められる施設・業務

以下の施設での調理業務が実務経験として認められます。

  • 飲食店営業(レストラン、食堂、料理店、カフェなど)
  • 旅館・ホテルの調理部門
  • 魚介類販売業(刺身・寿司等の加工を含む)
  • そうざい製造業
  • 学校・病院・福祉施設等の給食施設
  • 惣菜製造業
  • 弁当・仕出し業

認められない業務

一方で、以下の業務は実務経験として認められません

  • 接客のみの業務(ホールスタッフ)
  • 食品の盛り付けのみ(調理工程に関わらない場合)
  • 食品の運搬・配送のみ
  • 食器洗浄のみ
  • コンビニエンスストアの簡易調理
  • 栄養士・管理栄養士としての業務(調理を直接行わない場合)

ポイントは「調理の業務に従事していること」です。単なる配膳や洗い物だけでは認められない点に注意してください。

パート・アルバイトでも受験可能

実務経験において重要なのは、パートやアルバイトでも条件を満たせば受験資格が得られるという点です。具体的な条件は以下のとおりです。

  • 勤務期間: 2年以上
  • 勤務頻度: 原則として週4日以上
  • 勤務時間: 1日6時間以上

つまり、週4日×1日6時間以上で2年間以上の調理業務経験があれば、正社員でなくても受験資格を満たします。複数の勤務先での経験を合算することも可能ですが、1か所につき3か月以上の勤務が必要です。


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