退職届の用紙・筆記具・押印のマナー
退職届の内容が完璧でも、用紙や筆記具の選び方を間違えると印象を損なう可能性があります。ここでは、用紙・筆記具・押印それぞれのマナーを確認しましょう。
用紙の選び方
| 項目 | 推奨 | NG・非推奨 |
|---|---|---|
| サイズ | B5(182×257mm)またはA4(210×297mm) | それ以外のサイズ |
| 色 | 白 | 色付き、柄入り |
| 罫線 | 白無地が最適。罫線付き便箋も可 | イラスト入り便箋 |
| 手書きの場合 | 縦書き用便箋が望ましい | コピー用紙(やや薄い) |
| パソコンの場合 | コピー用紙(上質紙がベター) | わら半紙 |
筆記具の選び方
手書きの場合、黒インクのボールペンまたは万年筆を使います。
- 推奨: 黒のボールペン(油性またはゲルインク、0.5mm〜0.7mm)
- 推奨: 万年筆(黒またはブルーブラック)
- NG: 鉛筆・シャープペンシル(消せるため正式書類に不適)
- NG: フリクション(消えるボールペン)(熱で消えるため厳禁)
- NG: カラーペン・マーカー
フリクション(消えるボールペン)を使ってしまう方がたまにいますが、摩擦熱や環境温度の変化で文字が消えてしまうため、正式な書類には絶対に使わないでください。
押印のマナー
| 押印の種類 | 使用可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 認印(三文判) | ○ | 最も一般的 |
| 実印 | ○ | 使用可だが不要な場面が多い |
| シャチハタ(インク浸透印) | × | 正式書類には不可 |
| 電子印鑑 | △ | 会社が認めている場合のみ |
シャチハタがNGとされる理由は、ゴム製の印面が劣化しやすく同一性の証明が難しいこと、また大量生産品のため「個人を特定する印鑑」としての信頼性が低いことにあります。100円ショップや文具店で売られている三文判(認印)で十分ですので、必ず朱肉を使うタイプの印鑑を用意してください。
退職届の無料テンプレート活用ガイド
「ゼロから書くのは大変」「レイアウトに自信がない」という方には、無料テンプレートの活用がおすすめです。Word・PDF・Excelなど各形式で提供されているサイトがあります。
テンプレートの主な入手先
| サイト名 | 提供形式 | 特徴 |
|---|---|---|
| マイナビ転職 | Word・PDF | 転職サイト大手、縦書き・横書き両対応 |
| doda | Word・PDF | 退職届・退職願の両方あり |
| マネーフォワード クラウド | Word・Excel・PDF | ビジネステンプレートが豊富 |
| ヤギッシュ | Web入力→PDF | ブラウザ上で入力してPDF出力できる |
| Canva | Web編集→PDF | デザイン性のあるテンプレートが豊富 |
| Adobe Acrobat | 編集可能なPDFフォーム形式 |
テンプレート活用時の注意点
- 例文の退職日をそのまま使わない:テンプレートに入っているサンプル日付を自分の退職日に必ず変更しましょう
- 会社名・宛名を正確に入力する:「(株)」ではなく「株式会社」と正式名称で書きましょう
- 署名欄は空欄にして印刷する:パソコンで入力しても、署名は手書き、押印は手押しが基本です
- フォントを統一する:テンプレートのフォントが環境によって変わることがあるので、印刷前に確認しましょう
手書きか?パソコンか?判断基準
| 判断ポイント | 手書きが良い場合 | パソコンが良い場合 |
|---|---|---|
| 会社の社風 | 伝統的・格式を重視する企業 | IT企業・ベンチャー企業 |
| 上司の年齢層 | 50代以上の上司が多い | 若い世代が中心 |
| 過去の慣例 | 先輩が手書きで出している | 特に前例がない |
| 会社の指定 | 「手書きで」と指定あり | 「パソコン可」と明言 |
| 迷ったとき | 手書きを選べば間違いない | — |
基本的に迷ったら手書きが無難です。手書きの退職届に対して「パソコンで出し直して」と言われることはほぼありませんが、逆のケースはあり得ます。
退職届と退職願の書き方の違い
退職届と退職願は、似ているようで法的効力が異なります。文面上の決定的な違いは語尾です。
語尾の違い
| 書類名 | 語尾 | 意味 |
|---|---|---|
| 退職届 | 「退職いたします」 | 退職を通告する(一方的な意思表示) |
| 退職願 | 「退職いたしたくお願い申し上げます」 | 退職を願い出る(合意解約の申し入れ) |
退職届は、提出した時点で労働者側からの一方的な意思表示となり、原則として撤回できません。一方、退職願は「お願い」であるため、会社が承諾するまでは撤回できる余地があります。
どちらを出すべきか?
- 退職の意思が完全に固まっている:退職届
- 上司と相談しつつ円満に退職したい:退職願
- 会社のフォーマットが決まっている:会社の指定に従う
多くの場合、まず口頭で上司に退職の意向を伝え、了承を得た後に退職届を提出するという流れになります。いきなり退職届を突きつけるのは、よほど特殊な事情がない限り避けた方がよいでしょう。
