「退職届ってどう書けばいいの?」「退職願と退職届の違いがわからない…」――退職を決意したとき、まず直面するのが退職届の作成です。この記事では、退職届・退職願・辞表の違いから、正しい書き方(手書き・パソコン)、封筒の選び方・入れ方、提出のタイミング・マナーまで、退職届にまつわるすべてを2026年最新の情報をもとに徹底解説します。
この記事でわかること
  • 退職届・退職願・辞表の違いと正しい使い分け
  • 退職届の具体的な書き方(手書き縦書き・パソコン横書き両対応)と例文・テンプレート
  • 封筒の選び方・折り方・渡し方から提出後のスケジュールまでの全手順

退職届とは?退職願・辞表との違いをわかりやすく解説

退職に関する書類には「退職届」「退職願」「辞表」の3種類があります。名前が似ているため混同しがちですが、それぞれ法的な意味合いや提出するタイミングが異なります。まずはこの3つの違いを正確に理解しておきましょう。

退職届・退職願・辞表の定義と法的効力

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項目退職願退職届辞表
意味退職を「お願い」する書類退職を「届け出る」書類役員・公務員が職を辞する書類
法的効力会社の承諾があって初めて成立提出をもって退職の意思表示が成立辞任届と同等の効力
撤回の可否会社が承諾するまでは撤回可能原則として撤回不可原則として撤回不可
使う場面円満退職を目指す場合退職日が確定した後の正式な届出会社役員・経営層・公務員
提出先直属の上司直属の上司(人事部へ提出する場合も)取締役会・任命権者

どちらを出すべき?一般的な使い分け

一般的な会社員の退職では、以下の流れが最もスムーズです。

  1. まず退職願を提出 → 上司に退職の意思を伝え、会社の承諾を得る
  2. 退職日が確定したら退職届を提出 → 正式な届出として会社に提出する

ただし、会社によっては退職届のみで手続きが完了する場合や、会社所定のフォーマットがある場合もあります。まずは就業規則を確認してください。なお「辞表」は一般社員は使いません。会社の取締役や公務員など、一定の地位にある方が使う書類です。

退職届と退職願の文面の違い

文面の最大の違いは、語尾の表現にあります。

書類本文の表現
退職願「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」
退職届「退職いたします。」

退職願は「お願い」、退職届は「届出(宣言)」というニュアンスの違いが、そのまま文面に反映されます。この点を押さえておけば、書き間違いを防げます。

退職届を出す前に確認すべき3つのこと

退職届を書き始める前に、必ず確認しておきたいポイントが3つあります。ここを飛ばしてしまうと、提出後にトラブルになる可能性があるため注意してください。

1. 就業規則の退職規定を確認する

民法第627条では「退職の申し出から2週間が経過すれば雇用契約は終了する」と定められています。しかし、多くの企業では就業規則で「退職の1ヶ月前」「2ヶ月前」までに届け出ることを求めています。

根拠退職申告の期限備考
民法第627条退職日の2週間前法律上の最低ライン
一般的な就業規則退職日の1〜2ヶ月前企業ごとに異なる
円満退職の目安退職日の2〜3ヶ月前引き継ぎ期間を考慮

法律上は2週間前の申し出で退職は可能ですが、業務の引き継ぎや後任の手配を考慮すると、就業規則に従うのがベストです。就業規則が手元にない場合は、人事部に確認してみましょう。

2. 退職日を設定する

退職日は自分の希望と会社の事情をすり合わせて決定します。以下のポイントを考慮してください。

  • 月末退社が有利: 月末を退職日にすると、社会保険料をその月分まで会社と折半できます。月の途中退職だと、国民健康保険・国民年金への切り替えが必要になり、自己負担額が増える場合があります
  • ボーナス支給日の確認: 賞与の支給日・在籍要件を就業規則で確認しましょう。退職日によってはボーナスがもらえない可能性があります
  • 有給休暇の消化: 残っている有給休暇の日数を確認し、最終出勤日から退職日までのスケジュールに織り込みましょう

3. 直属の上司に事前相談する

退職届をいきなり提出するのはマナー違反です。まずは直属の上司に口頭で退職の意思を伝え、退職願を提出しましょう。上司との面談で退職日の調整が済んでから、正式に退職届を作成するのがスムーズな流れです。

上司への切り出し方としては「少しお時間をいただけますか」と個室での面談を依頼し、「一身上の都合で退職させていただきたい」と伝えるのが一般的です。引き止められた場合でも、退職の意志が固いことを丁寧に伝えましょう。

退職届の書き方【手書き・縦書き版】

退職届は手書きでもパソコンでも作成できますが、日本のビジネス慣習では手書き+縦書きが最も丁寧とされています。ここでは手書き・縦書きでの書き方を、記載項目ごとに詳しく解説します。

用意するもの

  • 用紙: 白無地の便箋(B5サイズ推奨、A4も可)。罫線入りでも構いませんが、白無地がよりフォーマルです
  • 筆記具: 黒のボールペンまたは万年筆。消えるボールペン(フリクション等)は不可
  • 印鑑: 認印(シャチハタは避ける)

退職届(手書き・縦書き)の記載項目と例文

退職届に記載する項目は以下の7つです。

  1. タイトル: 「退職届」と中央上部に大きめに記載
  2. 書き出し: 「私儀(わたくしぎ)」と本文冒頭に記載(「私事ですが」の意味)
  3. 退職理由: 自己都合の場合は「一身上の都合により」と書く
  4. 退職日: 「○○○○年○月○日をもって」と西暦または和暦で記載
  5. 届出の文言: 退職届は「退職いたします。」と記載(退職願の場合は「退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」)
  6. 提出日・所属部署・氏名・押印: 提出日を記載し、所属部署と氏名を記載。氏名の下に認印を押す
  7. 宛先: 会社の正式名称と代表者名(代表取締役社長○○○○殿)

退職届の例文(縦書き)

退職届

私儀

このたび一身上の都合により、○○○○年○月○日をもって退職いたします。

○○○○年○月○日
○○部 ○○課
氏名 ○○ ○○ 印

株式会社○○○○
代表取締役社長 ○○ ○○ 殿

退職理由は、自己都合退職の場合は「一身上の都合により」の一言で十分です。転職先や具体的な退職理由を書く必要はありません。会社都合(リストラ・解雇など)の場合は「一身上の都合」とは書かず、具体的な理由を記載してください。


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