マイナポータルで医療費控除する方法
医療費控除の手続きは、これまで多くの書類準備や手間がかかるものでした。しかし、マイナポータルを活用することで、これらの手続きが大幅に簡素化されます。マイナポータルは、政府が提供するオンラインサービスで、個人の医療費情報を含むさまざまなデータを一元管理・閲覧できる仕組みです。これにより、医療費控除の申請がよりスムーズになります。
マイナポータルと医療費控除の連携方法
マイナポータルを利用して医療費控除を行うためには、以下の手順を踏む必要があります。
1. マイナンバーカードの取得と準備
まず、マイナンバーカードを取得し、利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)と署名用電子証明書のパスワード(英数字6~16文字)を設定します。これらのパスワードは、マイナポータルやe-Taxを利用する際に必要となります。
2. マイナポータルへのログインと事前準備
マイナポータルにログインし、医療費通知情報の取得に必要な設定を行います。この際、マイナンバーカードの読み取りが可能なスマートフォンやICカードリーダライタが必要です。また、家族の医療費情報を取得する場合は、事前にマイナポータルで代理人の設定を行う必要があります。
3. e-Taxでの確定申告書作成
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やマイナポータル連携に対応した会計ソフトを使用して、確定申告書を作成します。作成中にマイナポータル連携を行うことで、医療費通知情報を自動で取得し、申告書の該当項目に反映させることができます。
マイナポータル連携のメリット
マイナポータルを活用することで、医療費控除の手続きが大幅に簡素化されます。具体的には、医療費の明細書を手動で入力する手間が省け、入力ミスのリスクも減少します。また、医療費通知情報は毎年2月上旬以降に前年分の情報が取得可能となるため、最新のデータを基に申告が行えます。
注意点と留意事項
マイナポータル連携を利用する際には、以下の点に注意が必要です。
1. 取得できる医療費情報の範囲
マイナポータルで取得できる医療費通知情報は、主に保険診療分が対象となります。しかし、はり・きゅうの施術費用や整骨院・接骨院での柔道整復療養費など、一部の医療費は含まれない場合があります。そのため、これらの費用については別途領収書を基に申告する必要があります。
2. 家族の医療費情報の取得
家族の医療費情報を取得するためには、事前にマイナポータルで代理人設定を行う必要があります。この設定には、家族全員のマイナンバーカードが必要となるため、早めの準備が求められます。
3. 事前準備の重要性
マイナポータル連携を利用するための事前準備は、初回のみ必要ですが、控除証明書等の発行主体によっては、連携手続き完了からデータ取得可能までに数日かかる場合があります。そのため、余裕を持って準備を進めることが大切です。
マイナポータルを活用することで、医療費控除の手続きがより簡単かつ正確に行えるようになります。しかし、取得できる情報の範囲や事前準備など、注意すべき点もありますので、しっかりと確認した上で活用しましょう。
出典:マイナポータルと連携した所得税確定申告手続 – 国税庁