退職を決意したとき、最大の悩みが「退職理由をどう伝えるか」ではないでしょうか。退職届に書く理由、上司に口頭で伝える理由、そして転職面接で聞かれる退職理由——この3つの場面では、それぞれ求められる内容もマナーもまったく異なります。本記事では、最新の調査データをもとに退職理由の「本音と建前」を整理したうえで、場面別の例文・NG表現を網羅的に解説します。

この記事でわかること
  • 退職理由の本音ランキング最新データと「本音と建前のギャップ」の実態
  • 退職届に書く理由は「一身上の都合」だけでOKな理由と注意点
  • 上司へ退職理由を伝えるときの4つのポイントと言い換え術
  • ネガティブな退職理由をポジティブに変換する例文集
  • 引き止められにくい退職理由の作り方
  • 面接で退職理由を聞かれたときの正しい答え方
  • 自己都合退職と会社都合退職の違いと失業給付への影響

退職理由の本音ランキング【最新データ】

退職を考えている方がまず気になるのは、「みんなはどんな理由で辞めているのか?」ということでしょう。ここでは、エン・ジャパンが2024年に実施した大規模調査(回答者数4,658名)をもとに、退職理由の本音を見ていきます。

本音の退職理由TOP10

エン・ジャパンの調査によると、退職者の54%が会社に本当の退職理由を伝えていないことが明らかになっています。では、伝えなかった「本音の退職理由」とは何だったのでしょうか。

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順位本音の退職理由割合
1位人間関係が悪い46%
2位給与が低い・昇給が見込めない39%
3位会社の将来性に不安36%
4位仕事内容が合わない・つまらない30%
5位残業・休日出勤が多い27%
6位評価制度に不満25%
7位社風・企業文化が合わない22%
8位キャリアアップが望めない20%
9位ハラスメントがあった18%
10位通勤が辛い12%

本音と建前のギャップ

注目すべきは、会社に伝える「建前の退職理由」との大きなギャップです。

本音の理由建前の理由
人間関係が悪い家庭の事情(結婚・引っ越しなど)
給与が低いキャリアアップのため
会社の将来性に不安新しい分野に挑戦したい
残業が多い体調を考慮して
ハラスメント一身上の都合

多くの人が本音を隠して退職しています。その理由として最も多かったのは「円満に退職したかったから」(59%)で、次いで「話しても改善されないと思ったから」(41%)という回答でした。

Z世代の退職理由の特徴

近年注目されているのが、20代前半〜中盤のZ世代に特有の退職トレンドです。

  • 「成長実感がない」が上位に浮上: 若手は給与よりもスキルアップできる環境を重視する傾向が強い
  • 退職代行サービスの利用増加: エン・ジャパンの調査では退職代行の利用経験は3%にとどまるものの、認知率は高く、20代では利用意向も増加傾向
  • 「配属ガチャ」問題: 希望と異なる部署への配属が早期退職の引き金になるケースが増加

退職届に書く理由は「一身上の都合」でOK

ここからは、実際に退職する際の「退職届に書く理由」について解説します。結論から言うと、自己都合退職の場合、退職届に書く理由は「一身上の都合により」の一文だけで十分です。

「一身上の都合」の意味と正しい使い方

「一身上の都合」とは、「個人的な事情」を意味する定型表現です。退職届においては、自己都合退職であることを示す決まり文句として使われます。

「一身上の都合」が使えるケース:

  • 転職のため
  • 結婚・出産のため
  • 引っ越しのため
  • 体調不良のため
  • 家族の介護のため
  • キャリアチェンジのため

「一身上の都合」が使えないケース:

  • 会社都合退職(リストラ・倒産・解雇など)の場合
  • 希望退職制度に応募した場合
  • 契約期間満了による退職の場合

会社都合退職の場合は「一身上の都合」ではなく、「部門縮小のため」「事業所閉鎖のため」など、会社側の事情を明記する必要があります。これは失業給付の受給条件に直結するため、絶対に間違えてはいけないポイントです。

退職届に具体的な理由を書く必要はあるか?

法律上、退職届に具体的な退職理由を記載する義務はありません。会社から「具体的な理由を書いてほしい」と求められることもありますが、応じる義務はないということを覚えておきましょう。


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