NISAの7つのメリット

NISAには投資初心者にとっても経験者にとっても魅力的なメリットが数多くあります。主要な7つのメリットを詳しく見ていきましょう。

1
運用益が非課税

NISAの最大のメリットは、投資で得た利益(売却益・配当金)がすべて非課税になることです。通常かかる20.315%の税金がゼロになるため、利益がそのまま手元に残ります。仮に年利5%で毎月3万円を20年間積み立てた場合、運用益は約513万円。通常の口座なら約104万円が税金として差し引かれますが、NISAなら513万円がまるごと自分のものになります。

2
少額から始められる

NISAは、多くのネット証券で100円から投資を始められます。「投資はお金持ちがやるもの」というイメージがあるかもしれませんが、まずは月1,000円や5,000円といった少額からスタートして、投資に慣れていくことが可能です。

3
確定申告が不要

NISA口座で得た利益は非課税のため、確定申告の必要がありません。通常の投資では、源泉徴収なしの特定口座や一般口座を使った場合に確定申告が必要になりますが、NISAならその手間が一切かかりません。

4
非課税保有期間が無期限

新NISAでは非課税保有期間が無期限になりました。「5年後に売らなきゃ」「20年でロールオーバーの判断をしなきゃ」といった旧制度の複雑さが解消され、好きなタイミングで売買できます。長期保有で複利効果を最大限に活かす戦略が取りやすくなりました。

5
いつでも引き出し可能

NISAは、いつでも自由に売却・引き出しができます。これはiDeCo(個人型確定拠出年金)と比べた大きなアドバンテージです。iDeCoは原則60歳まで引き出せませんが、NISAには引き出し制限がないため、急な出費が必要になったときにも対応できます。

6
非課税枠の再利用が可能

新NISAでは、保有商品を売却すると、翌年にその分の非課税枠が復活します。旧制度では一度使った枠は戻りませんでしたが、新制度ではライフイベントに合わせた売却と再投資が柔軟にできるようになりました。

7
制度が恒久化された

新NISAは恒久的な制度として位置づけられているため、「いつ始めても遅くない」という安心感があります。焦って始める必要はなく、自分の準備ができたタイミングでスタートできます。

NISAの5つのデメリット・注意点

メリットが多いNISAですが、注意すべきデメリットもあります。始める前にしっかり理解しておきましょう。

デメリット1:元本割れのリスクがある

NISAはあくまで「税制優遇制度」であり、投資そのもののリスクがなくなるわけではありません。株式市場の下落局面では、投資した金額を下回る(元本割れする)可能性があります。ただし、長期・分散・積立投資を行うことでリスクを大幅に軽減できることが、過去のデータから示されています。金融庁の試算では、20年間の積立分散投資で元本割れする確率はほぼゼロに近づくとされています。

デメリット2:損益通算・繰越控除ができない

通常の証券口座では、投資で損失が出た場合、他の投資の利益と相殺(損益通算)したり、損失を3年間繰り越して将来の利益と相殺(繰越控除)したりできます。しかし、NISA口座で出た損失は、他の口座の利益と相殺できません。この点は、特に成長投資枠で個別株投資をする際に注意が必要です。

デメリット3:1人1口座しか開設できない

NISA口座は、全金融機関を通じて1人1口座しか開設できません。A証券でNISA口座を持っていると、B銀行では開設できません。金融機関の変更は年単位で可能ですが、手続きに手間がかかるため、最初の金融機関選びが重要になります。

デメリット4:投資対象商品に制限がある

NISAで購入できる商品は限られています。特につみたて投資枠では金融庁が選定した投資信託・ETFのみが対象です。成長投資枠でも、レバレッジ型投信や整理・監理銘柄などは対象外です。ただし、初心者にとってはむしろ「危険な商品をつかまされにくい」というメリットとも言えます。

デメリット5:短期売買には不向き

NISAの非課税メリットは、長期保有するほど大きくなります。頻繁に売買を繰り返すと、年間の投資枠をすぐに消費してしまい、非課税枠を有効活用できません。NISAは「長期でじっくり育てる投資」に向いた制度であり、デイトレードのような短期売買には適していません。

【2026年改正】こどもNISA創設と3つの変更点

2026年度の税制改正大綱には、NISAに関する注目すべき改正が盛り込まれました。2026年2月時点の最新情報をお伝えします。

変更点1:こどもNISA(未成年向けNISA)の創設

最大の目玉は、未成年者(0歳〜17歳)を対象とした新しいNISA制度「こどもNISA」の創設です。2023年末に廃止されたジュニアNISAの後継制度として、2027年1月からの開始が予定されています。

こどもNISAの概要は以下の通りです。

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項目こどもNISA(予定)
対象年齢0歳〜17歳の日本在住者
年間投資枠80万円
生涯非課税保有限度額400万円
非課税保有期間無期限
対象商品つみたて投資枠と同等(金融庁選定の投資信託等)
開始時期2027年1月(予定)
払出し制限なし(いつでも引き出し可能)

旧ジュニアNISAでは18歳まで払出し制限があり使い勝手が悪いという批判がありましたが、こどもNISAでは引き出し制限が撤廃される見通しです。子どもの教育資金や将来の資産形成に、より柔軟に活用できるようになります。

変更点2:非課税枠の年内復活

現行の新NISAでは、保有商品を売却した場合、非課税枠が復活するのは翌年です。2026年改正では、この枠の復活が売却した年内に行われる方向で検討されています。これにより、「売って買い直す」といったリバランス(資産配分の調整)がより柔軟にできるようになります。

変更点3:対象商品の拡充

成長投資枠の対象商品について、現行では除外されている一部の商品カテゴリを追加する方向で議論が進んでいます。投資家の選択肢が広がることで、より多様な投資戦略に対応できるようになる見込みです。

これらの改正は、NISAをさらに国民に身近な制度にしようという政府の方針を反映しています。特にこどもNISAの創設は、「貯蓄から投資へ」の流れを家族単位で推進する画期的な施策と言えるでしょう。

NISAとiDeCoの違い|どっちを優先すべき?

資産形成の制度としてNISAとよく比較されるのが、iDeCo(個人型確定拠出年金)です。どちらも税制優遇がある制度ですが、目的や特徴が異なります。

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比較項目NISAiDeCo
税制優遇運用益が非課税運用益非課税+掛金が全額所得控除+受取時控除
引き出しいつでも自由原則60歳まで不可
年間投資上限360万円14.4万円〜81.6万円(職業による)
対象者18歳以上の日本在住者20歳以上65歳未満の国民年金被保険者
口座管理手数料無料月171円〜(金融機関による)
主な目的資産形成全般老後資金の準備

iDeCoの最大の強みは、掛金が全額所得控除になる点です。年収500万円の会社員が毎月2.3万円(年間27.6万円)をiDeCoに拠出すると、所得税・住民税が年間約5.5万円軽減されます。この節税効果はNISAにはない大きなメリットです。

一方、iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、「いつでも使えるお金」にはなりません。

おすすめの使い分けは以下の通りです。

  • 老後資金の準備が目的 → iDeCoを優先(所得控除のメリットが大きい)
  • 教育費・住宅資金・余裕資金 → NISAを優先(いつでも引き出せる)
  • 余裕がある方 → 両方を併用するのがベスト

結論として、多くの方にとっては「まずNISAで始めて、余裕が出てきたらiDeCoも併用する」という順番がおすすめです。NISAの方が引き出しの自由度が高く、投資対象も幅広いため、最初の一歩として始めやすいからです。


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