「NISAって最近よく聞くけど、結局どんな制度なの?」「投資は気になるけど、難しそうで踏み出せない」――そんな方は多いのではないでしょうか。NISAは、投資で得た利益にかかる約20%の税金がゼロになる国の優遇制度です。2024年に大幅リニューアルされ、さらに2026年には「こどもNISA」の創設や非課税枠の年内復活など、より使いやすい制度へと進化しようとしています。この記事では、NISAの基本的な仕組みからメリット・デメリット、2026年の最新改正情報、そして具体的な始め方まで、投資初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。

この記事でわかること
  • NISAの基本的な仕組みと、通常の投資と比べてどれだけお得なのか
  • 2024年新NISAの5つの変更点と、2026年改正の最新情報
  • NISAの始め方からiDeCoとの使い分けまで、実践的な活用法

NISAとは?少額投資非課税制度の基本をわかりやすく解説

NISAとは、「少額投資非課税制度」の略称で、正式名称は「Nippon Individual Savings Account(日本版個人貯蓄口座)」です。イギリスのISA(Individual Savings Account)をモデルに、2014年1月にスタートしました。

この制度の最大のポイントは、投資で得た利益に税金がかからないということです。

通常、株式や投資信託で利益(売却益や配当金)が出ると、その利益に対して20.315%の税金がかかります。内訳は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です。たとえば、投資で100万円の利益が出た場合、通常なら約20万3,150円が税金として差し引かれ、手元に残るのは約79万7,000円です。

ところがNISA口座で同じ100万円の利益が出た場合、税金はゼロ。100万円がまるまる手元に残ります。この差は非常に大きく、長期で運用すればするほど、その恩恵は雪だるま式に膨らんでいきます。

NISAは18歳以上(口座開設年の1月1日時点)の日本在住者であれば、誰でも利用できます。2025年6月末時点でNISA口座数は2,696万口座に達しており、日本の成人の約4人に1人がNISA口座を持っている計算になります。投資初心者がまず検討すべき制度と言えるでしょう。

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項目通常の証券口座NISA口座
売却益への課税20.315%非課税
配当金への課税20.315%非課税
100万円の利益の手取り約79.7万円100万円
確定申告必要な場合あり不要

2024年に生まれ変わった「新NISA」5つの変更点

NISAは2024年1月に大幅にリニューアルされました。旧制度と比べて格段に使いやすくなっており、「新NISA」と呼ばれています。主な変更点は以下の5つです。

変更点1:非課税保有期間が無期限に

旧NISAでは、つみたてNISAが最長20年、一般NISAが最長5年という期限がありました。新NISAでは非課税保有期間が無期限になり、一度買った商品をいつまでも非課税で保有し続けられます。「いつ売ればいいの?」というプレッシャーから解放され、自分のペースで長期投資に取り組めるようになりました。

変更点2:年間投資枠が360万円に大幅拡大

旧つみたてNISAは年間40万円、旧一般NISAは年間120万円が上限でした。新NISAでは、つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円で、合計年間360万円まで投資できます。より積極的に資産形成に取り組める環境が整いました。

変更点3:つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能に

旧制度では「つみたてNISA」か「一般NISA」のどちらか一方しか選べませんでした。新NISAでは両方の枠を同時に使えるため、コツコツ積み立てながら、気になる個別株にも投資するといった柔軟な運用が可能です。

変更点4:生涯非課税保有限度額1,800万円の新設

年間の投資枠とは別に、一生涯で非課税で保有できる上限として1,800万円が設定されました。これは旧制度にはなかった仕組みで、長期的な資産形成の目標額として分かりやすい基準になっています。

変更点5:制度の恒久化

旧制度には口座開設の期限がありましたが、新NISAは恒久的な制度として位置づけられています。「いつ始めても遅くない」という安心感は、投資をためらっていた方にとって大きなメリットです。

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項目旧つみたてNISA旧一般NISA新NISA
年間投資枠40万円120万円360万円(併用可)
非課税保有期間20年5年無期限
生涯非課税限度額800万円600万円1,800万円
制度の併用不可不可可能
口座開設期限2023年末2023年末恒久化

つみたて投資枠と成長投資枠の違いを比較

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った使い方を見つけましょう。

つみたて投資枠は、金融庁が厳選した長期・積立・分散投資に適した投資信託のみが対象です。年間120万円まで投資でき、毎月コツコツ積み立てる投資スタイルに最適です。対象商品は約300本に絞られており、手数料が低く、長期投資に向いた商品ばかりなので、初心者でも商品選びで大きく失敗するリスクが抑えられています。

成長投資枠は、つみたて投資枠の対象商品に加えて、個別株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)なども購入できます。年間240万円まで投資可能で、一括購入もできるため、「この株が欲しい」「ボーナスをまとめて投資したい」といったニーズに応えます。ただし、整理銘柄・監理銘柄や、信託期間20年未満の投資信託など、一部対象外の商品もあります。

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比較項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資上限120万円240万円
対象商品金融庁が認めた投資信託・ETF(約300本)上場株式・投資信託・ETF・REITなど
購入方法積立買付のみ一括買付・積立買付の両方
向いている人初心者・コツコツ型経験者・積極投資型
生涯非課税枠の上限1,800万円の内数最大1,200万円

投資初心者の方は、まずつみたて投資枠から始めるのがおすすめです。毎月少額からスタートでき、金融庁が選んだ商品の中から選ぶだけなので、商品選びのハードルが低いのが魅力です。投資に慣れてきたら、成長投資枠で個別株やETFにもチャレンジしてみるとよいでしょう。

NISAの生涯非課税保有限度額1,800万円の仕組み

新NISAの大きな特徴の一つが、生涯非課税保有限度額1,800万円の仕組みです。これは「一生涯でNISA口座に保有できる金額の上限」を意味します。

この1,800万円の内訳には重要なルールがあります。成長投資枠で使えるのは最大1,200万円までです。つまり、1,800万円すべてをつみたて投資枠で使うことは可能ですが、成長投資枠だけで1,800万円を埋めることはできません。たとえば、成長投資枠で1,200万円を使った場合、残りの600万円はつみたて投資枠で投資することになります。

もう一つ知っておきたいのが、売却後の枠の再利用です。NISAで保有している商品を売却すると、その分の非課税枠が翌年に復活します。ここでのポイントは、枠の計算が「簿価ベース(購入時の金額)」で行われるということです。たとえば、100万円で購入した投資信託が150万円に値上がりした後に売却した場合、復活する枠は購入時の100万円分です。

この仕組みにより、ライフステージに合わせた柔軟な資産管理が可能になります。子どもの教育費が必要になったらNISAの一部を売却し、その枠を翌年以降に再利用して再び投資する、といった使い方ができるのです。

なお、年間投資枠(360万円)を最大限に活用すれば、最短5年で1,800万円の枠を使い切ることも計算上は可能です。もちろん、無理に急ぐ必要はありません。自分の収入やライフプランに合わせて、10年、20年かけてゆっくり埋めていくのも立派な戦略です。


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