自治体補助金の活用方法

国と自治体の「二重取り」が可能

CEV補助金は国の制度ですが、多くの都道府県・市区町村でも独自のEV購入補助金が用意されています。重要なのは、国のCEV補助金と自治体の補助金は併用が可能という点です。さらに、都道府県の補助金と市区町村の補助金を合わせた「三重取り」ができるケースもあります。

主要自治体の補助金額(2025年度・個人向け)

自治体の補助金額は地域によって大きく異なります。代表的な自治体の制度を見てみましょう。

東京都(ZEV車両購入補助金)は全国でもトップクラスの手厚さです。

  • EV(普通車): 最大75万〜100万円(再エネ電力導入・V2H設置等の条件による上乗せあり)
  • 軽EV: 最大60万円(再エネ電力導入時は75万円)
  • PHEV: 50万円(メーカー別補助額)
  • V2H導入で10万円上乗せ、再エネ電力導入で15万円上乗せ

東京都の場合、例えばトヨタbZ4Xを購入すると、国のCEV補助金130万円+東京都の補助金最大100万円で、合計最大230万円もの補助を受けられる可能性があります。

その他の主要自治体の例

  • 神奈川県: EV購入に対して独自の補助制度あり
  • 大阪府: 府と市区町村の二重申請が可能な地域あり
  • 愛知県: EV普及促進のための補助制度を継続
  • 北海道札幌市: 次世代自動車購入補助として独自予算を確保

自治体の補助金は年度ごとに内容や金額が変わることが多く、予算枠も限られています。お住まいの地域の最新情報は、次世代自動車振興センターのウェブサイトや各自治体の公式サイトで必ず確認してください。

自治体補助金の申請タイミング

自治体の補助金は、一般的に初度登録日から一定期間内(多くは1年以内)に申請が必要です。東京都の場合は初度登録日から1年以内、もしくは令和8年3月31日までのいずれか早い方が申請期限となっています。国のCEV補助金と申請期限が異なるため、両方の期限を把握しておくことが重要です。

税制優遇の3本柱

EVを購入すると、補助金に加えて3種類の税制優遇を受けることができます。これらを合計すると、数万円から十数万円の節税効果が期待できます。

1. エコカー減税(自動車重量税の減免)

エコカー減税は、環境性能に優れた車両の自動車重量税を減免する制度です。

  • 適用期間: 2026年4月30日まで延長
  • EV・PHEV・FCVの場合: 新車購入時の重量税が100%免税(全額免除)
  • 初回継続車検時(新車登録から3年後)も100%免税が適用
  • 節税効果: 車両重量1.5t〜2tのEVの場合、新車購入時に約30,000円、初回車検時にも約30,000円が免除され、合計で約6万円の節税

EVは排出ガスを出さないため、燃費基準に関係なく自動的に最高ランクの減免(100%免税)が適用されます。ガソリン車やハイブリッド車では燃費基準の達成度によって減免率が変わりますが、EVなら確実に全額免除です。

2. グリーン化特例(自動車税・軽自動車税の軽減)

グリーン化特例は、環境性能に優れた車両の自動車税(種別割)を軽減する制度です。

  • 適用期間: 2026年3月31日まで延長(さらに2年延長が決定済み)
  • EV・PHEV・FCVの場合: 購入翌年度の自動車税が概ね75%軽減
  • 普通車EVの場合: 通常25,000円/年 → 軽減後約6,500円/年(翌年度のみ)
  • 軽EVの場合: 通常10,800円/年 → 軽減後約2,700円/年(翌年度のみ)

注意点として、グリーン化特例による軽減は購入翌年度の1年間のみです。2年目以降は通常の税額(普通車EVで25,000円/年)に戻ります。

3. 環境性能割(旧・自動車取得税)

環境性能割は、車両取得時に課される税金で、環境性能に応じて税率が軽減される制度です。

  • 適用期間: 2026年3月31日まで(同日をもって廃止予定)
  • EV・PHEV・FCVの場合: 非課税(0%)
  • 通常のガソリン車の場合: 取得価額の1〜3%が課税
  • 節税効果: 車両取得価額500万円の場合、通常なら最大15万円の税金が0円

環境性能割は2026年3月末での廃止が決定しています。廃止後は新たな制度に移行する見込みですが、少なくとも現時点ではEVの購入者にとって大きなメリットです。

税制優遇の合計効果

3つの税制優遇を合計すると、車両や条件にもよりますが約15万〜25万円程度の節税効果が見込めます。CEV補助金と合わせれば、合計で150万円以上のメリットを享受できるケースもあります。

実質購入価格シミュレーション

ここでは、具体的な車種を例に、CEV補助金・自治体補助金(東京都を想定)・税制優遇をフル活用した場合の実質購入価格をシミュレーションします。

シミュレーション条件

  • 国のCEV補助金: 各車種の確定額を適用
  • 自治体補助金: 東京都ZEV補助金(再エネ電力導入なし・V2Hなしの基本額)を想定
  • 税制優遇: エコカー減税+グリーン化特例+環境性能割の合計概算

車種別シミュレーション結果

【トヨタ bZ4X(FWDモデル)】
  • 車両本体価格(税込): 約500万円
  • CEV補助金: -130万円
  • 東京都ZEV補助金(基本額): -約75万円
  • 税制優遇(3種合計概算): -約20万円
  • 実質購入価格: 約275万円
【日産 アリア(B6・2WD)】
  • 車両本体価格(税込): 約599万円
  • CEV補助金: -129万円
  • 東京都ZEV補助金(基本額): -約75万円
  • 税制優遇(3種合計概算): -約22万円
  • 実質購入価格: 約373万円
【テスラ モデルY(RWD)】
  • 車両本体価格(税込): 約540万円
  • CEV補助金: -127万円
  • 東京都ZEV補助金(基本額): -約75万円
  • 税制優遇(3種合計概算): -約20万円
  • 実質購入価格: 約318万円
【日産 サクラ(Gグレード)】
  • 車両本体価格(税込): 約294万円
  • CEV補助金: -55万円
  • 東京都ZEV補助金(基本額): -約60万円
  • 税制優遇(3種合計概算): -約3万円
  • 実質購入価格: 約176万円

東京都在住の場合、日産サクラは実質約176万円、トヨタbZ4Xは実質約275万円と、ガソリン車と十分比較できる価格帯まで下がります。お住まいの自治体の補助金がどの程度かによって実質価格は変動しますが、国の補助金だけでも大幅な値引き効果が得られます。


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